Indoor Plants


Indoor Plants、室内園芸の盛んな欧米では、室内で楽しむ植物をそう呼んで、観葉植物
やラン、サボテンなどを中心に、室内で上手く育てるための研究が盛んです。

 原生地を知る

植物には、温度湿度など、それぞれに適した環境条件があります。植物を上手く
育てるには、その環境条件を与えることが重要です。その植物の特性は、原生地の気
候を知ることによりおおよその見当がつきます。地域だけでなく、どのような所に自生し
ているかを知ることにより、もっと適した環境がわかります。

熱帯のジャングルの木の下の方に生えているシダ類は、高温多湿の日陰を好み、砂漠
に生えるサボテン類は、乾燥した日向を好むことが容易に想像できます。

原生地の環境をつくる

光 植物の生育に光は欠かせません。根から吸い上げた水と、葉から吸収した二酸
化炭素が、光を受けた葉緑体によりブドウ糖などの炭水化物が合成される、光合成を、
行うためです。

必要とする光の強さは、種により大きな差があります。一般に、花や実をつける花木は、
観葉植物よりたくさんの光を必要とします。

室内で植物を育てる上で最も気を付けなければならないのが、光量不足です。真夏の日
の光は 120klx にもなります。室内では、天気の良い夏の日の、窓辺で 5〜10klx (半日
向)、部屋の中央で 1〜2klx (半日陰) 、部屋の奥だと 0.5klx 以下(日陰)でしょう。部屋
の中央や奥で育てる場合は、日中明るい場所に移動したり、照明で補うと良いでしょう。
照明は植物育成用の蛍光灯がよいでしょう。葉面より 20cm 程度の距離から照射する
と 5klx の明るさになります。

植物は、ある程度の順応性をもっています。原生地と異なった条件で栽培するとその条
件に適した植物体に変化していきます。弱い光の場所で育てると、光合成を盛んにする
ために葉緑体が増え、葉の色が濃くなり、葉も大きくなります。ただし、順応するには時
間がかかりますので、徐々に慣らしていく必要があります。冬に室内に取り込むときや、
逆に夏に屋外に出すときなどは少しずつ移動していくことが大切です。

温度 熱帯産の観葉植物や花木の生育に適した温度は、ほとんどの場合 20〜
25℃ の範囲で、 5〜10℃ 以下になると生育を停止してしまうので加温あるいは保温が
必要になります。また、 30℃ 以上の高温が続くと弱ってくるので、遮光したり風通しを良
くする必要があります。

温度に関しては、最近の住宅構造やエアコンにより、生育適温を維持するのは、さほど
難しくはないでしょう。

湿度 高温・多湿を好む熱帯産の観葉植物や花木にとって、冬場の乾燥はよくあり
ません。太平洋岸では湿度が 30% 以下にまで低下します。また、高温多湿期でも風通
しの良いところでは、乾燥することがあります。

乾燥すると、葉などに生気がなくなったり葉が巻いたり、ハダニやカイガラムシが発生し
たりすることがあります。

湿度を保つには、葉水が簡単です。冬場は、加湿器を使用すると良いでしょう。湿度が 
30% 以下にも下がるのは、観葉植物にも、我々人間にも良くありません。 50〜60% に
設定すると良いでしょう。冷風扇の使用も効果的です。冷風扇は気化熱を利用して部屋
の温度を下げるものですが、冬場に使用すると加湿器になります(その効果は絶大で 
10〜20% 上げることが出来き、加湿器より経済的です。−−夏は、ほとんど役にたたず
捨てようと思っていて、ふと思って試したら、思いのほか効果的でした。ただ、風に当たる
とちょっと寒いですが)。


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